0:39、泣き声が聞こえた。
無事に生まれたようだ。
立ち会い出産ではないので状況が見て取れないが、雰囲気からすると特に問題はないようだ。
少し力が抜けた。
カメラを準備しながら、こいつだと室内で撮るの厳しいんだよな、ブレずに撮れるかな?なんて考える余裕も少し出てきた。
生まれた後のいろいろな処置が終わり、会うことができるようになった。
ここではカンガルーケアをしているので、赤ちゃんは母親に抱っこされていた。
さっきは泣いていたのに、今は寝ている。
すごく小さくて、頼りなげで壊れそう。
予定日より3週間以上早いので、少し小さめ。
新生児はサルみたいとよく聞くけど、意外に人の顔形をしていた。
髪の毛は思ったより生えていた。
手の指が長い、足が大きいね、目は誰似だね、とかみんな勝手なことを言い始める。
候補はいくつかあったが、予定より早かったため名前はまだない。
母親の方はといえば、疲れ切っていて少し呆けた感じだった。
後で聞くと、生んだとき泣くと思っていたが、すごく大変でそれどころじゃなかったとのこと。
いくら言葉を尽くして説明されたとしても、自分には出産の大変さは実感できないんだろうなあ。
この日は出産ラッシュのようで、通常、出産後2時間は分娩台の上で休むのだが、1時間くらいしたところで陣痛室に移され、そこで休むことになった。
母親の体の検査の間、赤ちゃんも別室で検査を受けた。
赤ちゃんが戻ってきたときに抱かせてもらったが、実は父親という実感がまだあまりない。
なんか壊れ物を預かった感じで落ち着かない。
このあと母子共にしばらく入院となるが、付き添いの人は面会時間ではないので帰ることに。
家に戻ったのは午前4時すぎ。
長い1日だった。